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女性の外見のコンプレックスを癒す役を演じる

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ひと昔前ならば、顔、スタイル、肌の美醜は、生まれつきのものと考えられていて、それらの美にめぐまれない女性は、一種のアキラメをもっていたものだ。ところが、「金をかければかけるほど効果も上がる」という美容技術は、あらゆる女性からアキラメを奪い、あらゆる女性を美の競争、にエントリーさせることになった。

眠っていた女性たちのコンプレックスを揺り起こした。そのため、今は、あらゆる女性が、美についてのこまごまとしたコンプレックスを持っている。長く続いた不況にあらがって、ダイエット、エステを中心とした美容産業は堅調を保ってきた。言うなれば、美容産業とは、女性のコンプレックスを養うことによって成長した新産業である。

「お腹の肉の付きぐあいが、ヘソ出しルックにはちょっと不向き」「バストが、トップで八四センチしかない。これじゃ、豊乳とはほど遠い」「シミはとれたけど、白く輝く美肌にはまだまだ」ようするに、男が聞いたらあきれてしまうようなゼイタクな悩みを女たちはあふれるように抱いている。

目の前の彼女をモノにしたいのなら

だが、いますぐ目の前の彼女をモノにしたいのなら、それらの悩みにあきれている場合ではない。彼女たちのコンプレックスをよくよく理解してこそ、道は開けるのだ。つまり、そのコンプレックスを癒す役を演じることによって、彼女との距離を大きく縮めるわけだ。

バストが「八五センチ以下」であることを悩んでいる女性には、こう言ってやればいい。「僕は、やたらに豊乳の女といっしょに歩くのは恥ずかしいなあ。なんか、それだけが目当てでつきあっているみたいで」そのようにさりげなく持ち上げるだけで、女性は、三年くらいはもつ喜びのエネルギーを注入されてしまう。

ウエストが七五センチで悩んでいる女性に対しては、さすがに「なんとか痩せなよ」としか言えない。しかし、ウェストが六二センチで悩んでいる女性に対しては、こう言うことができる。「ミロのビーナスを思い出してよ。ちょっとくらいウェストが豊かなほうが、女性らしくていいじやないですか。僕は、そういうウエストのほうが好きですよ」、となるのである。

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