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これ以前の取引はない取引履歴を廃棄したと主張された場合

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・これ以前の取引はない、取引履歴を廃棄したと主張された場合

このような場合、どうしたらよいのでしようか。原告の主張する取引開始時にはそもそも取引がなかったから文書は存在しないと主張されました。また、文書提出命令を申立てたところ、貸金業者からそれらの文書はすでに廃棄したと主張されました。

「回答」

文書提出命令申立ての段階では、貸金業者が文書を所持している(はずの)根拠を明らかにすれば足ります。貸金業者が文書を所持している根拠としては、貸金業規制法19条・法人税法150条の2(帳簿の備付け)、商法19条2項・3項・会社法432条(商業帳簿、契約書、受取証書に関する保存義務(旧商法36条)が挙げられます。

貸金業者が過去において提出命令の対象文書を所持(作成)していたことを明らかにすれば、当該文書を現在所持していないこと(廃棄したこと)については貸金業者自身が立証すべきことになります。これを立証できない限り、文書提出命令の決定が出ることになります。

伝票等で主張・立証すればよい

貸金業者が、その期間の文書は廃棄したと主張している時期に、借入れ・返済が一度でもあったことを、伝票等で主張・立証すればよいでしょう。貸金業者は商人であり、かつ貸金業の登録業者なので、これらの帳簿を過去に作成していないと主張することは絶対にあり得ず、したがって、借入れが当時あったことを証明すれば、それらの帳簿を所持していたことは当然に認められます。

取引終了後の廃棄であったとしても、他の法律上の保存義務の期間と民事訴訟法上の文書の提出義務とは関係がなく、他の法律上の保存期間が満了したからといって、民事訴訟上の文書の提出義務がないとはいえません。そこで、貸金業者が文書を所持していない(廃棄した)と主張する場合、文書を廃棄した事実を貸金業者が具体的に立証する必要があることを指摘します。

貸金業者は、文書の保存義務の期間切れを理由に、あるいは単にデータ保管の都合を理由に、10年以前の取引履歴は保存していないなどとして、文書提出命令申立ての対象となる文書を所持していないと主張します。しかし、取引が継続している限り文書を廃棄することは違法です。

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