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父と息子の確執から人生の挫折

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ある青年はどうも途中で仕事をやめてしまう自分を何とかしたくて、ある相談所にみえました。教育パパということもあり、出世街道まつしぐらの優秀な企業戦士。青年が大学受験のとき、剣道の副主将を務め、卒業のとき味わえるはずの、文武を両立できた達成感を楽しみに励んでいたのですが、東大志望の父親は、自分の体験から「今時、部活をやるやつは必ず失敗する。絶対許さん!」と強制的に退部届を出させてしまいました。

部長からは「いくじなし」、部員からは「おまえをみそこなった!」と言われ、生きる力を失いかけました。気を取り直し一浪して、父親が指示した中の一校に合格したものの、四年間は喜びとは無縁の生活。父親のことを思うと、パニック症状になってしまうのですが、うつ状態のとき、母親が優しく受け止めてくれたので耐えてこられたのだと語った。

仕事一筋の父親は、幼い自分とただの一度も遊んだ思い出はなく、いつも父親の命令と禁止で一方的に終わってしまい、怖くて何ひとつ自由がなかった。就職も希望のところに入れず、ただパワーをなくしていった。

自信がなくなってしまうようになったのは

何かを続けようとしても途中で挫折した、部活を退部したときの恐怖を思い出し、ここぞというときに自信がなくなってしまうようになったのは誰の影響だったのかが、だんだんわかるようになった。

優しい青年は、最初は自分から父親の存在を切り捨てていたのですが、時代がそうさせたことだと納得し、一人で焼き鳥を食べるまでになりました。父親は、自分からカウンセリングに通い、今まで子どもの気持ちを無視し、息子の人生をねじ伏せてしまったことに気づき、不憫さを感じ、泣きながら叫び続けた。

三十年ぶりに心が通じ合えるようになった。父親がなぜそこまで強引であったのか。幼児のとき、大連から母ひとり子ひとりで引き揚げてきて、父親は言葉では言いつくせない苦労をしました。夫を亡くして、女手ひとつで自分を育ててきた母親から「教育だけは身につせよう」と厳しく育てられた経験を、自分の息子にも知らず知らずに強制してのです。だから、せめて息子には楽しい大学生活を味わわせたかったという父の生い立ちや心情をはじめて聞き、父も寂しい時を過ごしたのだということに青年の心が近づいたのだった。

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