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対話力の重要性を実感したある人のエピソード

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改めて対話力の重要性を実感したある人のエピソードがあります。夕方になってキャンプファイヤーが始まった頃、ひとりの女の子が輪を抜け出して、若い男の先生のところにトコトコと近づいていくと、「先生、東京はどっち?」と聞きました。もう十数年も前の経験ですが、ある子ども会の主催で千葉にキャンプに行くことになりました。

聞かれた先生は「そうやって勝手な行動ばかりするから、オマエはいつもみんなに迷惑かけちゃうんだ。早くみんなのところに戻りなさい!」と女の子を叱り、叱られた女の子はプウッとふくれて今度は校長先生のところに行きました。

西ってわかる?あっちに日が沈んでいくだろう?日が沈む方向が西だから、東京はあっちだよ」と海を指差して教えてあげた。いつも穏やかで優しい校長先生は、女の子の同じ質問に対して、「東京かあ。東京は西のほうにあるんだよ、と。

そう教えてもらっても女の子は

そう教えてもらっても女の子は、今度は若い女の先生のところにそっと近づいて、「ねえ先生、東京とっち?」と同じ質問をしたのです。それを聞いた先生は「ああーママに会いたくなっちゃったのね」と言いながら、女の子をギュッと抱きしめました。すると途端に女の子の顔がバアッと明るくなり、「ワタシ、みんなとご飯食べてこよう」とスキップでキャンプファィヤーのほうに戻っていったのです。

子どもが「これがほしい」と言ったときに「ダメー」と切り捨ててしまったり、「これ食べたくない」と言ったときに「わがまま言わないで食べなさい」と叱ったり、「もう歩きたくない」と言ったときに「そんな甘えたこと言わないでちゃんと歩きなさい!」と突っばねたり、甘えさせるということとは逆方向に向かっている親御さんはたくさんいます。

女の子の質問に答えようともしないで叱り、「早く戻りなさい」と頭ごなしに命令した先生に対して、女の子はきっと「この先生キライー」と思ったに違いありません。三人の先生の対応のうち、若い男の先生の対応がまずいものであることは皆さんもおわかりかと思います。けれども、聞く耳もたずでピシャッとシャッターを下ろしてしまう、この若い男の先生のような態度で子どもと接している親御さんはけっこう多いのです。

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