心理学

集団の行動を逐一追うようになり関心させるようになった

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最初の詩人はリズミカルな物語を語り聞かせることで、ファンを魅了した。レンブラントやマティスの祖先たちは、ぬかるんだ地面に人より上手に絵を描いた。そして現代のロックスターやオペラ歌手の先駆者たちは、部族の神話を歌い聞かせることで、恋人候補の心を揺さぶった。

一万年前、祖先たちのなかに、人より抜きんでて言葉巧みな者、あるいはカリスマ的な演説をおこなう者がいた。あるいは、すばらしい運動神経を持ち合わせる者がいた。現代ジャーナリストの先駆者たちが、集団の行動を逐一追うようになり、新しいニュースやゴシップで交配相手候補を感心させるようになった。

病を治す者もいた。風や夜の精と会話を交わすことのできる者もいた。大胆不敵な者、人一倍寛大な者、人を笑わせることのできる者。「男に笑わせてもらった女は、守られているように感じるものだ」とウーゴ・ベッティは書いている。

個々の売りの芸を披露することで

言語、芸術、など、複雑な才に恵まれた者は生き残り、子孫を繁栄させることができた。そして人類のさまざまな才能を後世に伝えていったのだ。ただし男も女も、「予算内の広告」にとどまっていた。代謝エネルギーの量にしても、脳内回路の拡大にしても、限度というものがあったから。だから求愛者たちは得意分野を絞っていった。そして個々の売りの芸を披露することで、交配相手を手に入れたのだ。

エレクトスの女性たちも、ウィットに富んだ仲間に惹かれたはずだ。そして午後のひととき、低木の茂みで彼らとともに過ごしたことだろう。過酷な時代を生きた祖先たちにとって、長期間にわたるパートナーシップを築き上げるための交配相手を誘惑するには、特別な才能がどんどん必要になっていった。

こうした求愛プロセスはいまでもつづいている。かつてアインシュタインは、「に科学に偉大なる貢献をしなかった者は、一生涯できない」と断言したことがある。人間ならたくさん思い浮かべることができるが、ロンドンスクール・オブ・エコノミックスのサトシカナザワ博士は、アインシュタインの言葉を検証し、そこに進化的な説明をつけ加えたのだった。

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