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消費者は困った立場に立たされている

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一九九六年の調査では、アメリカの部品や労働力を五〇%使用していれば「アメリカ製」だと考えるべきだと答えた消費者は一四%にすぎなかったのだから。自分たちの服がどこから来るのかにっいては、まだまだ学ばなければいけないことがたくさんある。サイパンの訴訟事件がきっかけとなって、大勢の消費者がその事実に気づいたのだった。

ラベルに示された国の名前は、服がいい(悪い)労働条件下で作られていることを示すしるしだと言う人もいる。「私は、そのプランドの母国で作られた服を買うの。特に欧米の場合はね。だって、欧米諸国では労働法が確立されているし、きちんと守られていることがわかってるでしょ」。こう語るのは、ロンドン在住の二九歳のライター、ロクサーヌだ。そして、消費者がアメリカ製品の定義に疑いを持っていないことは明らかである。

消費者は困った立場に立たされている。スウェットショップのおかげで日々かなりの恩恵(安い服)が享受できてありがたいという本音と、スウェットショップには一応反対だという建前の間で身を引き裂かれる思いなのである。

スウェットショップの存在を支持するのは

今日、スウェットショップの存在を支持するのは、動物実験を賞賛するのと同じことだ。その恩恵にはみんな密かに感謝しているはずなのに(スウェットショップのおかげで、汗水流して稼いだお金をあまり使わずに済むし、動物実験のおかげで人体実験の試行錯誤を繰り返さずに済む)、それらを公然と支持するような不敵な人はまずいない。

私たちにはこんなにたくさんの服など必要ない。ただ、必要だと思い込まされているだけなのだ。ファッション・ヴィクティムは、労働者が擁取されているのは忍び難いことだと思っている。それでもやはり、安い服は大好き。シャツ一枚を縫ってもスズメの涙ほどしかもらえない労働者にそれなりの哀れみは感じるが、なかなか行動を起こすまでには至らないのだ。大手小売店のスウェットショップ・スキャンダルにはかぶりを振るけれど、その店をボイコットするわけではない。

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