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スキーマ心理を巧みに使った恋愛成功術

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人間は一人一人、独自の行動基準を持っている。これを心理学で「スキーマ」と呼んでいる。たとえば病人でも老人でも妊婦でもない人は、ふつうシルバーシートには座ろうとしないものだが、それは、「スキーマ」とじっさいの行動が合致してところが、人間は、往々にして「スキーマ」とは矛盾する行動をしてしまう。

意中の彼女に借りをつくるのは、「彼女に何かを教えてもらう」のと同系列の作戦である。ここでは、母性とは別の角度から、その効果を検証してみよう。

たとえば、意中の彼女に思いきって愛を告白するかわりに、「一万円、貸してくれないかな」と言ってみる。すると、彼女の中では、つぎのような第一の心理的葛藤が起こる。「なんで、この男に貸さなければならないの」、「でも、ケチで不親切な女だと思われたくない」ー。このバトルは、たいてい後者の勝利に終わる。人間、誰もが、ケチで不親切だとは思われたくないからである。

スキーマとのせめぎあい

さて、こうして一万円を貸してしまうと、彼女は、第二の心理的葛藤を味わうことになる。それは、肝心の「スキーマ」とのせめぎあいである。「ああ、私は、なんで好きでもない男に一万円を貸してしまったのかしら」という思いは、「ケチじゃないから」「親切だから」の説明では解決がつかなくなる。そこで、「憎からず思っているからかもね」というあらたな説明をつけ加えることになる。人間は、自分が親切にしてあげた相手を好きになる。

「私は軽い女ではない」という「スキーマ」をキープするために、「好きでもない男とホテルに行った」を「好きな男とホテルに行った」に修正する。「借りをつくる」作戦は、この心理システムを応用したものにほかならない。

「私は軽い女と見られたくない」とふだん思っている女性が、酔った勢いで好きでもない男とホテルに入るような場合は、その矛盾の典型と言える。この場合は、心理的に「不協和」という現象が起こる。つまり、彼女は、「スキーマ」と自分がとった行動との矛盾によって、心理的混乱におちいるわけだ。そこで、彼女は、心理的混乱から逃れるためのツジツマ合わせをするのである。

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