年金

給付に見合う資産の分配が行われない

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厚生年金基金については、従来から、積立基準、受託者責任、情報開示等の受給権を保護するための規定が順次整備され、実施され、状況変化に応じて見直しも行われてきたが、法人税法上の制度である適格退職年金については、こうした規定が整備されていないし、実際に整備することも難しい。企業年金に積立不足があるまま終了すると、その加入者や受給者等には約束した給付に見合う資産の分配が行われない。

社会経済環境の変化、とりわけ、いわゆるバブル崩壊後の運用環境の悪化等に伴い、企業年金の財政が厳しさを増すなかで、企業年金が終了するケース(適格退職年金契約の(全部)解除や厚生年金基金の解散)が増加してきた。戦後、わが国の企業年金は、1962(昭和37)年の税制改正で導入された適格退職年金と、1966(昭和41年)の厚生年金保険法の改正により導入された厚生年金基金とを中心に発展してきた。中心というよりも、わが国の企業年金といえば、厚生年金基金と適格退職年金といってもよいくらいである。

確定給付企業年金法

確定給付企業年金法は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としている。

厚生年金の老齢厚生年金の給付の一部(いわゆる代行部分)を国に代わって行う、厚生年金保険法上の制度である厚生年金基金については、一定水準以上の年金額の確保や終身年金の義務づけなど公的性格を有することからくる制約があって、それ故に様々な税制等のメリットを享受している面もあるのだが、社会経済環境の変化のなかで、こうした制約によって企業の負担が重みを増しているとの考え方が広まってきたことと、企業のリスク軽減への指向などとが相まって、代行を行わない、労使によるより柔軟な制度設計が可能な企業年金制度が求められるようになってきた。

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