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新たな借入れは順番に古い過払金の弁済(債務の承認)と評価される

投稿日:2015年8月4日 更新日:

10年以上前にいったん完済し、その後取引が中断した後、再び同じ業者から借り入れた場合について(便宜上、いったん完済した借入れを第1借入れ、その後の借入れを第2借入れといいます)、この場合、第1借入れにつきいったん完済し、その時点からは10年以上経過しており、消滅時効が問題となります。

この問題は、取引の一体性の議論と大きく関係します。いったん完済していたとしても、借主の合理的意思や、当事者間の衡平を図る観点から、第1借入れと第2借入れを分断すべきでなく、再度借入れした時点で、第1借入れで発生した過払金は第2借入れの貸付金元本に充当されます。その結果、この場合も取引が継続していた場合と同様に処理されることとなり、過払金が時効消滅することはありません。

取引関係の清算が始まった時点(弁護士の受任通知を送付した時点など)から起算するものと、継続的金銭消費貸借契約に基づき借入れと返済とが繰り返して行われてきたものであることを理由として最終取引日の翌日から起算するものがあります。

第2借入れをする時点の債務者の意思としては

新たな借入れは、順番に古い過払金の弁済(債務の承認)と評価されるとし、直近の借入れの時点で時効が中断されているとする判決、長期の支払いとなったのは貸金業者の態度が原因であった等として貸金業者側からの時効援用は信義則上許されないとした判決があります。

仮に第1借入れと第2借入れにつき一体の取引と認めない立場であっても、また第2借入れにつき法定利率で引直計算しても過払金が発生しておらず債務が残っている場合には、第1借入れで発生した過払金と第2借入れの残債務を相殺するとの処理により、当然充当した結論と同じ結果を得ることができます。

第2借入れをする時点の債務者の意思としては、過払金が発生している取引と、第2借入れに始まる取引の併存を望まないのが通常ですから、この時点で、黙示の相殺の意思表示があったと主張することができます。

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