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専属的合意管轄であっても移送は認められない

投稿日:2015年7月9日 更新日:

専属的合意管轄であっても、当事者の衡平の観点から移送は認められない。専属的な合意がなされた裁判所以外の法定管轄裁判所に訴訟が提起された場合、訴訟の遅滞を避けるためまたは当事者間の衡平を図るため必要なときは、専属的管轄合意のある裁判所への移送申立ては却下されるべきであると解釈することができます。この場合、移送されれば訴訟の遅延を招くこと、当事者の衡平を図るためには移送を認めるべきでないこと、を主張しなければなりません。

合意管轄を規定する条項中に「専属的」という文言がある場合や、もしくは、合意管轄の条項からして専属的管轄の趣旨にしか解釈できない場合には、次のような反論が考えられます。すなわち、民訴法17条は、訴訟の遅滞を避けるため、または、当事者の衡平を図るため必要なときは、定められた管轄以外の裁判所への移送を認めています。

専属的管轄の合意と認めるためには

専属的管轄の合意と認めるためには、まずは、契約書に記載された合意条項の表現内容からして専属管轄であることが明確であることが必要です。また貸金業者側と債務者側が専属管轄の意味を十分に理解したうえで、専属管轄の合意をしたという事実がなければなりません。

「専属的管轄の合意」の解釈は限定的にすべきである。専属管轄の合意は、その合意をした一方当事者(過払金請求訴訟においては貸金業者)にのみ利益をもたらし、債務者には重大な不利益を及ぼすものです。債務者にとってみれば、自らの利益の一部放棄を認める内容です。したがって、当事者間に排他的な専属的管轄の合意があったと認めることには、慎重でなければなりません。

実質的にみて、管轄合意条項は、貸金業者が約款上に一方的に記載したものであり、債務者には選択する余地がないことや、当事者間の衡平を図る点から、付加的合意管轄と解釈することが妥当です。契約書に記載された合意管轄の条項の文言をよく読んで反論してください。

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