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最初嫌いなのに好きになる

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そして、時こそ今は——–と、口に出してつぶやくたびに、感動で涙に襲われてしまう。のちに、恋人、長谷川泰子は中也を捨て、近代日本の知性、小林秀雄の元へ去ってしまう。中也は自らを、ぼくは、悔しい男ですと歌っている。

時こそ今は花は香炉に打薫じ、そこはかとないけはひです。いかに泰子、いまこそはしづかに一緒に、をりませうこの時こそ今はは、中也の詩の中ではそれほど有名ではない。けれど、恋人と二人で窓辺にたたずんで暮れてゆく風景に染まりながら傍らの女に、どれだけ、おまえのことを思っているかを、切々と訴えるこの詩が、中也の詩の中で一番好きである。

20代の頃、長谷川泰子に憧れていた。詩人と文学者を二マタにかけ、称賛の愛の詩を捧げられ続ける魅惑の女を目指していた。しかし、平成の世に、女を愛の詩で泣かせてくれる男なんかいない。

正露丸と龍角散も好き。正露丸は、腹くだし用に用いるのめるのが最高。あの独特の臭みと刺すようなしびれが口いっと虫歯の痛みも止まるから不思議だ。龍角散も、かつては仕事中机の上に置き、小サジでロの中に放りこんでいた。

気分夷快にさせてくれる

最初嫌いだなと思っていたものがある時突然好きになった場合、それがものすごく好きになってしまう癖がある人がいる。薬類において、その傾向は強く、現在はセキ止めのドロッとした液体に凝っている。濃いカフェインの苦みと妙な甘ったるさのドロリと混ざった感じが、もう、病みつきなのである。

クロレッツやキスミントなんかよりもずっと気分夷快にさせてくれ、虫歯の空いた穴に詰いに広がる。そして、ちゃんれる妙薬なのである。そして、これらは、最初はうんと眉をしかめたものたちなのである。正露丸も龍角散も何か、そういった、最初はイヤだと感じても、何か人を引きつける隠し味がほどこされているのではないかと疑ってしまう。

恋愛において、最初ヤだなと思っていた相手を突然好きになった場合は、最初ら好意をもっていてうまく成就した恋よりも、断然深みが違う、というのは、わりとよくく話である。

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