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恋愛だけは資本主義の外においてあげたい

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恋愛だけは、資本主義の外においてあげたい。王子さまが乞食の娘に恋をしたり、お姫さまがカエルに嫁いだりするとき、自分の利益のことなんかこれっぽっちも頭にありません。

資本主義の原則は、いかに利益をあげるかなです。愛や真心は、ビジネスとは相容れないものなのです。いくらあなたの会社が、お金じゃ買えない真心をと宣伝を打ったところで、そういいながら、この会社は金をとってるじゃないと、顧客たちは思うはず。

アーヴィングのウォーター・メソッド・マンという小説に、次のような場面がありました。一人の若い女性(彼女は男性経験がない)が、思いつめた男性を思い切ってドライブに誘う。郊外の湖のほとりに車を停め、なんとなくいいムードになる。

二人は素っ裸になり、さて、というところで、なぜか突然男が、やめようと言い出す。次の瞬間、女は素っ裸の男を車外に放り出し、自らも素っ裸のまま車を大通りまで走らせてゆく。およそ、考えられる限り最大の赤っ恥、女にとって、舌かんで死んじゃいたいの状況であります。

嫌な気にならない男なんていないというデマ

一〇〇パーセントうまくゆく誘い方なんかないのです。誘われて、嫌な気にならない男なんていないというデマが女を強気にさせる風潮でありますが、このアーヴィングの小説は、見事にその説をくつがえす警鐘といえましょう。

また、鴻上尚史監督のジュリエット・ゲームという映画の中で、高橋ひとみさん扮する女教師が、ここ一番でコビを売れないために恋を失ってきたという意味のセリフを言うシーンがあります。男と女が夜の街をいいムードで歩いている。どちらとも誘いの言葉を待っている。しかし、男は沈黙のまま。ここで、女が一言コビを売れば、恋愛は成就したかもしれない。しかし、自尊心の高い女に売るコビはない。黙ったままの二人はターミナル駅に到着してしまう。そうして終わってしまった未完の恋も、恭にはあふれかえっていることでしょう。

そして、女から誘惑(アプローチ)をしかけるとき、必ず心の隅に忍ばせておいて損のない最悪の事態の光景なのです。いくらうまく誘ったところで、男の気分ひとつで、コトは暗転してしまう。このことを心に念じておけば、むやみやたらに男を誘う女にならずにすみます。

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