恋愛

恋愛において男は心の部屋に絵をかけ女は音楽をかけるという

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恋の初期段階には、ひんぱんに喫茶店が使われる。お互い知らないことばかりなので、会話は、すべて、新鮮な驚きである。夢中になって、自分のことについてしゃべり続けるのだ。お茶を飲みながら。

お茶を飲みませんかと男性から誘われたら、それは、用件ヌキでの人間関係を始めたい、という意志の表われと受け取ってよい。お茶を飲みませんかええ、いいわという会話は、深層心理において、きみのことを、もっとよく知りたいいいわ、お見せしましょうという風に翻訳されるのである。

恋も中盤以降になると、お互いほとんどしゃべるべきことはしゃべりつくしているので、喫茶店に入っても、無言になりがちである。ひどいのになると、それぞれ、持ち込んだ雑誌を読み貼っていたりする。そうなれば、なにもわざわざ喫茶店に来る必要なんか、もうないのである。

一つの部屋に何枚も絵をかけることは可能

部屋に何にもないのはさみしい。そこで絵を飾ろうとする。この絵が、すなわち、女性である。一つの絵を眺めているとやがて飽き、もう一つの絵を飾ろうとする。そこで、最初の絵を部屋の隅に押しやり、新しい絵を部屋の一番いい場所に置いて眺める。そして、日によって、その二枚の絵の位置をとりかえてみたりする。それに比べ、女性の心は、部屋に流れる音楽なのだそうだ。一つの部屋には、音楽は一曲しか流せない。しかし、一つの部屋に何枚も絵をかけることは可能である。

恋愛において男は心の部屋に絵をかけ、女は音楽をかけるという。社会学の先生と話をしていて、おもしろい話を聞いた。ぼくは、男の恋愛心理を、一つの部屋と額に入った絵にたとえるんですよと、彼は言う。つまり、男の心は一つの空っぽの部屋である。

男と女の違いはここにあるのだそうだ。男は、しょせん、浮気者、なのである。この話を聞いて、ホホーウ、と感心してしまった。絵の趣味は、人それぞれである。ただたんにキレイなだけの絵は、多くの人に好かれるだろうが、あきられやすいのも確かである。

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