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哲学入門

男に関係するすべてがプラスの価値をもっている

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トランクスをはいている若い女性はファッショナブルであるけれど、ブラジャーやパンティーを身につけている青年は「変態」である。ミルク飲み人形の髪をとかしお母さんごっこばかりする男の子に親は心を悩ませる。

女性代議士も女性消防士も女性宇宙飛行士も女性マラソン選手もとてもカッコいいのであり、女性の服装も自然に「男なみ」をめざすことになる。ビヤホールで大ジョッキを傾け、競馬新聞を読み、パイプをくゆらすオヤジ・ギャルはカッコいいが、バーゲンセール会場で他人を蹴散らして目的物に突進し、メロドラマにうつつを抜かし、あんみつ屋に入りびたるオバサン・ボーイはとてもカッコ悪い。

大雑把に言って、男に関係するすべてがプラスの価値をもっており、女にまつわるすべてがマイナスの価値をもっている。女が男の領域に近づくことは「上昇する」ことであるけれど、男が女の領域に足を踏み入れることは「下降する」こと。ですから、「男のような女」に対して世間は寛大であるのに、「女のような男」に対する世間の眼はことのほか厳しい。

じつは男は女を見下している

男がどんなに女をあがめる素振りをしても、じつは男は女を見下している。ただ「自分である」というプライドを「形而上学的プライド」と呼びましたが、それよく似ていて、ただ「男である」というだけの「形而上学的プライド」がいまだ健在だということ。

深夜ソッとのぞいてみたら、お母さんがあぐらをかいて大酒を飲んでいてもそれほどへンではない。しかし、お父さんがブラジャーをして鏡に向かい真剣な面持ちで口紅を引いていたらギョッとする。気が違ったのではないか、とすら思うことでしょう。

客船が沈みそうになったが、ボートは足りない。そのとき女子供の全員そしてその男だけボートに乗れ」と言われて、嫡しい男はまずいないでしょう。なんのことはない、ただ「男としてのプライドが許さないだけです。残酷なのは、こうした「男性信仰」はいまだ生きつづけておりながら、体力・判断力どれをとっても男より優れた女の群れがこのところ急速に発生しているという現実なのです。

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