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子育て

同じ境遇の人でも育ち方で差ができる

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かつて企業の社員教育研修で講師をしていたとき、とても対照的な二人の男性がいました、というある人。ひとりをAさん、もうひとりをSさんと呼びましょう。AさんとSさんは同じような学校を出て、同じような環境の職場に同時期に就職しました。そしてあるプロジェクトが立ち上がったとき、プロジェクトチームのメンバーに選ばれました。

見ていてもとてもエネルギッシュな人でした。一方のSさんは、だんだん日々の仕事がつらくなっていったようです。仕事の重圧を跳ね返し、トラブルに遭遇してもめげずに乗り越えていく力が足りず、あるときから出社拒否を起こすようになってしまいました。

そのプロジェクトは困難を極めるもので、成果を出すまでに多くの問題を解決していかなければならないような大変な作業が必要でした。その中でAさんは着実に成果を上げていきました。トラブルが生じても明るく立ち向かい、嫡々として日々の仕事をこなしていました。

二人を見ていて「同じような年頃で同じような境遇にありながら、なぜこのような差が出るのかしら」と思った私は、AさんとSさんにいろいろ話を聞いてみたのです。そこでわかったことがありました。

Aさんはお母さんの懐の中で存分に甘え

Aさんはお母さんの懐の中で存分に甘え、お母さんの愛情を一身に感じながら育ってきた人だった。一方のSさんのおうちは、ご両親ともに海外生活の長い方で早くから自立した子育てを取り入れていました。

Aさんは五歳になる頃までお母さんのおっばいにしがみついて離れられない子だったそうです。お母さんは「大きくなったんだから、もうやめなさい」といったことも一切言わず、Aさんの気が済むまで胸に抱っこしてあげていたそうです。

赤ん坊の頃から子ども部屋に寝かされ、身の回りのことはお手伝いさんがしてくれていたそうです。もちろんご両親はSさんを愛してくれていましたが、ギュッと抱きしめてもらったり、ベタベタに甘えさせてもらった経験はほとんどなかったそうです。

立派な親御さんだったけれど立派過ぎて近寄りがたく、甘えられるような親ではなかったとのことでした。その話を聞いて、AさんとSさんの違いとは、生まれ持った気質によるとも思いますが、少なくとも、本当の意味で親に十分甘えられたかどうかの違いであることがわかったそうです。

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