年金

年金財政計画の弱点-試算が外れるおそれを生む原因

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「方向性と論点」のなかで提示されていた年金財政計画の最大の弱点ー試算が外れるおそれを生む原因ーは、「方向性と論点」における財政計画が、永続的に強く市場に依存しつづけていることにあるように、思える。

「方向性と論点」の基準ケースで、2003年度以降、実質運用利回り1.25%が想定されていた。この水準をキープできないのであれば、将来に予定されている定常状態での積立度合は、基準ケースで想定されている水準以下となり、したがって、運用収益の収入に占める割合は低下して、保険料率20%では、予定された給付水準を維持できなくなる。

「方向性と論点」のなかで描かれている年金ビジョンには、積立金という被保険者が、運用収入という名の保険料を、毎年毎年、厚生年金給付費の10数%分支払うという形での賦課方式が想定されている。

方向性と論点のなかの最大の弱点と指摘

「方向性と論点」のなかの最大の弱点と指摘した、財政計画が未続的に強く市場に依存しつづけているという特徴は、スウェーデン新年金制度ももっている。ただし、スウェーデン新年金制度では、積立金は保険料の2.5%部分に相当する積立部分と説明されるために、積立金を取り崩すべきであるという発想は生まれにくい。

将来当てにならない積立金をもつくらいならば年金積立金という政府貯蓄を崩すことにより、当面は、少しでもデフレ圧力を緩和する方が得策であるという考え方がでてくる可能性もある。こうした弱点を避けて、給付水準が大幅に下がることは覚悟の上で、拠出と給付のリンクが人口構造のみに依存した賦課方式年金ーすなわち積立金ゼロの賦課方式年金ーにすべきという意見がでてくるかもしれない。

日本のような修正積立方式という、積立金の所有者が不明確な制度のもとでは、積立金の存在に対する批判がでやすい。日本の改革のひとつの方向は、スウェーデンのように、保険料の一定部分を賦課方式部分、他の一定部分を積立方式部分として、積立金の所有者を明確にすることにあるのだろうが、そうした改革ができない場合、やはり積立金の有在は批判の対象となりやすい。

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