ファッション

所属モデルの食習慣を完全に把握していない

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コルスラッドによれば、モデルズの場合、創立から四年間で摂食障害を患ったモデルは四人いたそうだ。事務所側が入院の手配を整えてモデルを説得し、母親に迎えに来させた例もあったという。彼女たちだって、成長するにつれて新陳代謝に変化が出てくる。そうなったら、やっばり食習慣も変えなきゃ。太ってきたなと思ったら、ダイエットするようにこっちから言うんだけど、栄養士やトレーナーをつけてやることも少なくないよ。当時、コルスラッドはまたひとつ問題を片付けたばかりだった。

彼女はここに来る前からこの問題を抱えていてね。摂食障害の患者が四年で四人というのは少ないほうであるー少なくとも、シェリル・ポールースキ博士の著チューブにつながれてで紹介されている統計に照らしてみれば。両親は、彼女が拒食症だとわかっててニューヨークに送り込んできたんだ。だから、僕にはこの娘を助けてあげる方法を探す責任があった。たまたま、モデルズが最高に運のいいエージェンシーだということなのかもしれないが、所属モデル全員の食習慣を完全に把握していない可能性もある。

摂食障害の認識がまちまち

たとえば、一日の摂取カロリーが一〇〇〇キロカロリーというダイエットをどう考えるか。摂食障害の認識がまちまちであるという事実にも問題がある。何だかんだ言っても、吐いたり下剤を濫用したりする仲間に比べれば、ほぼ十分なカロリーをとっているつもりの彼女には、悪いことをしている意識などないのだ。ごく普通の人にとって(それに、医学界の常識でも)それは飢餓状態なのだろうが、モデルのほうは健康そのものととらえるかもしれない。そのモデルが一日九〇分ワークアウトして、さらにカロリーを燃やしているとしよう。

九〇分となるとかなりのエクササイズには違いないが、もちろん危険とまでは言い切れない。彼女は自分が摂食障害を患っているなんて思ってもいないし、エージェンシーのほうは自然に捜せていると思い込んでいるので、みんながハッピー、めでたしめでたし、というわけだ。そんなわけで、彼女自身の心の中では、何も不健康なことはしていないのだから、エージェンシーに報告する理由もないことになるのである。

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