年金

公的年金制度の再構築

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国民年金には相当の高所得者も含まれているのであるが、定額の保険料しか徴収されていない。そこに、比例拠出・応能負担の職域年金から、所得が再分配されている。ゆえに、所得の垂直的再分配という納得の仕方も難しいように思える。

第1号拠出金算定対象者割合が下がっていくときに、厚生・共済年金という職域年金から地域保険である国民年金に所得が流れるという現象を、どのように納得すれば良いのであろうか。

厚生・共済年金の被保険者の親が旧国民年金の被保険者であった場合も多々考えられるのであるから、自分の親を扶養するつもりで厚生・共済年金が国民年金を支える仕組みは肯定されても良いではないかとする考え方があるかもしれない。たしかに、こうした考え方には一理ある。けれども思い出したいのは、「スウェーデンの新年金」の方向性である。

公的年金制度における所得の不透明な再分配は

あえて言えばあのスワェーデンでさえ、公的年金制度における所得の不透明な再分配は不人気であった。ゆえに、新年金制度では、拠出と給付のリンクを強化するために、再分配制度が固有にもつ制度の複雑さ・不透明さを取り除く形で、公的年金制度からさまざまな所得再分配部分を分離してしまった。そうした方向性で、公的年金に対する信頼を高めようとしたのである。

今日のように労働市場が流動化した状況では、人は一生のうちに。国民年金の財政を支える厚生・共済年金の被保険者である場合もあれば、支えられる国民年金の被保険者である場合もあるのであるから生涯のスパンでみれば「支え・支えられ」は相殺されるという納得の仕方もあろう。

そうした方向性に、日本の基礎年金制度の改革の方向をもっていくことはできないだろうかということである。免除者、学生納付特例者、未納者の存在による保険料未納分は、国庫が負担して、第1号、第2号被保険者が基礎年金勘定のために支払う保険料には転嫁しない。

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