子育て

子どもの思いを無視され十分に甘えられることなく育った場合

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子どもの思いを無視し、十分に甘えられることなく育ち、心が満ち足りている状態を経験してこなかった子は、言葉には出さなくても「愛してもらってこなかった」という愛情飢餓感や親への恨みつらみを抱えていきやすくなります。

長い年月をかけて心の中にたまっていつたものを、見知らぬ人たちに向けてまで吐き出していかなければ自分を保てないところまで追い詰められていた。聞いた話ですが、その方がある公共施設の前を通りかかったとき、三十代ぐらいの男性が、年配の男性と女性を脇に立たせて、道行く人に向かって大声で何かを訴えていたそうです。その訴える内容を聞いて思わずギョッとしてしまったと話してくれました。

「オレをここまで追い詰めたのはこいつらです。だから自分は殺す資格があると思っています。皆さんはどう思いますか?」と叫んでいたのです。その三人は親子で、三十代の男性は息子でした。大勢の道行く人の前に両親を立たせ、「自分はこの人たちを殺したいと思っているんです!」。

憎しみを抱いて過ごしてきたことは

ここまでの憎しみを抱いて過ごしてきたことは、ご本人にとってさそっらいことだったと思います。子どもにこのような形で憎しみをぶつけられる親もつらいでしょうが、抱えているつらさ、苦しさということでいえば、子どもである男性のほうが何倍、何十倍も大きいはずです。

そもそも、そんなふうにいつもガミガミ叱ってばかりの親を好きになれる子はいるでしょうか。「これをやろう」と考える力ももてません。常にガミガミ言われ続けている子は常にこうした心の状態であり続けることになります。

たとえ親が、子どもを愛していると思っていても、ガミガミ言われている間、子どもの心の中には「嫌だな、嫌だな、嫌だな」という思い、「怒られて悔しい」という気持ちしかありません。ささくれ立った気持ちが収まるまでは他のことをやる気力も意欲ももてなくなります。心の中のコップが黒いドロドロとしたもので満たされてしまいます。

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