年金

企業年金の様々な過去の問題点

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わが国の企業年金は、制度創設当時から様々な問題点を抱えていた。しかし、両制度とも、高度経済成長のなかで大きく普及・発展してきた。適格退職年金は、当時すでに検討されていた厚生年金基金が発足するまでのつなぎ措置の意味合いで導入されたものであるが、2001(平成13)年に至るまで、厚生年金基金は厚生省(当時)、適格退職年金は大蔵省(当時)と、同じ企業年金制度でありながら所管省庁が違い、制度の基本的な考え方や仕組みが統一されないままであった。

社外積立の企業年金制度の普及・発展の背景は様々あろうが、関係者の努力に加え、わが国の企業では退職金制度を設けることが一般的となっていること、予定利率(年金資産の運用利回りの見通し)を上回る運用収益が恒常的に確保されてきたことなどが挙げられよう。

わが国の企業年金制度は、長らく、退職金原資の積立のための拠出金支出と運用および退職金受給に関する課税上の取扱いを整備するため1962(昭和37)年に導入された適格退職年金と、退職一時金と厚生年金との調整問題を契機に、事業主側の強い要望を受けて1966(昭和41)年に創設された厚生年金基金の2本建ての体制が続いてきた。

退職金社外積立の仕組みとして導入された経緯

また、適格退職年金は退職金社外積立の仕組みとして導入された経緯もあり、年金制度として必要な受給権保護の仕組みが設けられていない状況である。しかし、バブル経済崩壊後、わが国の企業年金を取り巻く経済金融情勢は大きく変化した。低金利、株価の下落などから積立金の運用利回りが低迷し、当時5.5%に固定されていた予定利率を下回って、利差損の発生が続く状況となった。

1996(平成8)年度までは、厚生年金基金でも積立金が簿価で評価されており、運用利回りの低迷は含み損として蓄積することとなり、資産運用にも悪影響を与えることとなった。一方、2本建ての制度体系が発足して40年近くが経過し、企業年金制度が加入者に約束した給付に係る債務(給付債務)が増大して、成熟度が高まってきたのだった。

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