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貸付金額の証明責任が貸金業者側にあると判断した事案が増えている

投稿日:2015年7月29日 更新日:

近年の傾向として、裁判例で、当初残高もしくは貸付金額の証明責任が貸金業者側にあると判断した事案が増えています。残高無視計算による場合、真実の過払金額より多額の請求が認められる余地が出てきますが、正確な残高を確定できない理由はすべて、全取引履歴を開示しない貸金業者にあるのですから、それによる不利益を貸金業者に背負わせても何ら酷ではありません。

東京地裁八王子支部平成16年判決は、「貸付け及びこれに対する利息制限法の制限利率を超える利息の支払」が過払金の請求原因事実となり、「同一当事者間において、貸付け、返済が繰り返されている場合には、原告において過払となっているとする期間の取引経過を主張すれば足りると解される」とし、当初残高については、同金額に至るまでの具体的な取引経過を主張・立証しなければ、利得の存在に対する反証として不十分であるとしました。

残高無視計算による過払金返還請求を認めています

広島地裁平成16年判決は、原告(債務者)の残高無視計算による過払金返還請求を認めています。その理由中において、当初残高の証明責任が原告にあるとする被告(貸金業者)の主張に対して「そのように解するときは、債務者において債権の存在(正確には、より以前の債権の発生原因事実)について証明責任を負担することに帰する」としてこれを排斥し、「当初残高は被告において主張立証すべきところ、・・・・・・これに係る主張立証がない以上、同日現在の残高は存在しないもの、すなわち原告らによる計算のとおり0円であったとして爾後の計算をするのが相当である」と判示しました。

また、クレジット契約で、貸金業者が過去の貸付金の証明ができないときに返済金だけを取り上げて引直計算することを認めた判決があります。今後、全取引経過を開示しない場合については、残高無視計算による請求および提訴が主流になるものと思われます。

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