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救いの手を差し伸べてくるファッションという存在

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自分の体について、嫌というほど意識させておいて、救いの手を差し伸べてくるファッションという存在。二〇〇一年一月、リー・クーパーはパック・イット・ジーンズ復刻版を売り出した。もともと一九七〇年代に作られたこのジーンズは、パッド入りブラの男性版みたいなもので、股間にボリュームが欲しいという人のための商品である。以前は情けなくてびっちりパンツを究けなかったという向きも、今やハリボテの虚勢を張ることでそれが可能になった。

胸を持ち上げるブラ、引き締め効果の高いガードル、脚長に見せるパンツ、脚をカッコよく見せるシーンズなどが製品化されている。二OOO年には、ヘインズがお尻のほっべをそれぞれに持ち上げるバン・ホルスター付きのストッキングを発表した。ある新聞紙上でワンダーバットと命名されたものだ。アメリカ人は、郵便局で行われている煩雑な業務に思いを致すこともなく、毎日当たり前のように郵便物を受け取っている。

ファッションは問題をこしらえる

新しい服を買う時だって、衣料製造の過程について思いをはせてみたりはしないのだ。スウェットショップの使用から、連綿と続くマフィアとの関わりに至るまで、衣料を扱う商売には、暴力や腐敗に満ちた長い暗黒の歴史がある。だが、スキャンダルが常にビジネスに響くとは限らない。ファッションは問題をこしらえる。そしてまた、解決法も。

五三〇〇ドルーエルメスのバッグバーキンの値段。そして、リズ・クレイボーンやペリー・エリスなどの製品を作っているエル・サルバドル人労働者の年収三年分。お金のなる木はない。そして、服のなるハンガーも。山のように服を持っている。私たちも、それらが工場を出て自分のクロゼットに収まるまでの経緯については案外知らないものである。なぜだろう?理由はさまざまあるにしても、そんなことは気にしないという人が多いのも事実。私たちの着ている服がどのように作られているか。論争は起こっては消える。

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