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データ保管の都合上廃棄したと主張する貸金業者

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貸金業者は、10年以上の取引履歴は保存していない、破棄したなどと主張する場合があります。しかし、貸金業者にとって重要なデータの廃棄は考えられません。「データ保管の都合上廃棄した」といっても、コンピュータ上のデータによる管理であれば、それほど場所もとりません。また貸金業者にとって、債務者の過去の取引履歴は、与信判断のための重要な顧客情報ですから、取引が終了しても廃棄することは考えられません。

証明妨害

民訴法224条2項は、「当事者が相手方の使用を妨げる目的で提出の義務がある文書を滅失させ」たときは、文書提出命令に従わない場合と同様に、真実擬制をすることができるとしています。

この条文は、「相手方の使用を妨げる目的」がなければ直接適用することはできません。しかし、本条が、文書の使用不能による不利益を受ける相手方を救済するために、文書の提出不能の原因をつくり出した者に不利益を負わせるという衡平の観念と訴訟上の信義則に立脚している以上、保存期間を経過していない帳簿類を正当な理由もないのに廃棄したような場合には、具体的紛争がなくても、相手方の使用を妨げる目的で文書を廃棄したとする裁判例があります。

また、使用を妨げる目的と同視できるような重大な過失によって廃棄した場合には、同様の効果が認められる場合があり得ます。

ここにいう「使用を妨げる目的」とは、特定の相手方を意識せずに将来紛争が生じたときに不利益になるという程度の認識であっても差し支えなく、また文書提出命令の申立て以前の廃棄でも差し支えありません。

文書の保存

期間貸金業者が文書の保存を義務づけられている期間としては、商法19条3項・会社法432条2項(旧商法36条)の規定する10年間と、貸金業規制法施行規則17条1項の規定する3年間があります。いずれの規定も取引の終了時点を起算点として保存期間を3年もしくは10年と定めています。

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