ファッション

アパレル・メーカーは人件費を削るしかない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

一九九九年にメリーマウント大学倫理問題センターが行った調査では、スウェットショップに対して責任があるのは工場だけだと思っている消費者が六五%を占めており、小売業者にも責任があるとする人は一一%にとどまっている。大物小売業者はこの値段でダメならよそをあたるという高飛車な商売をしているため、そのツケが回ってくる労働者ははした金しかもらえなくなってしまうんですとボナチッチ博士。

製造が始まりもしないうちから小売業者のあなたが設定した低価格のせいで、関係者に少しずつお金が支払われていくうちに、底辺にいる人たちの賃金は実に微々たるものになってしまう。しかも、工場主の中には、一・四四ドルという賃金を大盤振る舞いだと考えるところさえある

テレビの電子部品のような硬いものなら機械でも組み立てられるだろうが、ストレッチ・ジーンズ用のソフト・デニムは機械には扱いづらい。アパレル製造でもそれなりに機械任せにできる工程はあるが、大部分は相変わらず人間の手を必要とする。アパレル以外のメーカーは製造の機械化で費用を浮かせてきたけれども、アパレル・メーカーは人件費を削るしかないわけである。

人件費の正確な金額

人件費の正確な金額は一〇〇%工場次第というわけではない。その決定は、かなりの部分、小売業者にかかっているのだ。小売業者は、あらかじめ利益マージンはどの程度が望ましいか、どのくらいの値段に収めたいか、といったことをしっかり決めておき、それから、その値段で納品してくれる請負業者を探しにかかるからである。

たとえば、あなたが小売業者で、ストライプのタートルネックを一着一二ドルの卸値で買いたいとしよう。店では二四ドルで売るつもりのものだ。卸値の一二ドルのうち、メーカーは生地代に約五・四ドル、利益と間接費に三ドルを当てる。残りの三・六ドルは請負業者に行くが、そこで実際にそのシャツを作った労働者に支払われるのはおよそ一・四四ドル、つまり小売価格の約六%である。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加